案山子
母の日。
ぼくは、なにもしませんでした。
花を贈ることも、手紙を書くことも、
電話1本ですらしていません。
この身ひとつでの上京を許してくれた母。
上京し、しばらくした電話で、
「スーパー行くといつも通りに
カゴに入れようとしちゃって…
あんたはもう家にいないんだね。」
そんなことを言っていた。
電話中、
勝手に泣き出したりもする。
とても母親不孝なのかもしれない。
母とは割と定期的に連絡を取っている。
こちらから電話することもある。
たいてい何か用があって連絡する。
「なんだぁなにか用かぁ〜」
なんて低い声で言うんだけど、
嬉しそうなのがバレバレである。
父親は相変わらず「電話うるさい!」の一言。
気になるくせに。
花を贈るの、今からでも間に合いますかね?
ってことで、お聴きください。
さだまさしで案山子